







このロットで実際に測った数値です。何を、どこで測ったかまで載せています。
ラオスの王道でありながら至極
数値は当社が測定した実測値です。測定していない項目は表示していません。
私はもともと土壌の研究者でした。修士から博士課程まで、ラオスの農園のまわりの土を調べに通っていました。研究のかたわら趣味で始めた小さな農園が、いつのまにか人生になりました。最初に植えたのがTypicaです。以来10年、栽培から精製、乾燥までを自分の手でやってきました。
このウォッシュトは、私たちの基準の一本です。派手さはありません。でも、精製の工夫を語る前に、まずこの土地とこの品種が素のままで何を出せるのかを知ってほしい。すべての比較はここから始まります。だからこの棚の最初に置いています。
収穫は完熟チェリーだけを手で摘みます。どれほど精製で工夫をしても、未熟な実が混ざった時点で失うものの方が大きい。これは10年で一番変わらなかった結論です。摘んだその日のうちに果皮と果肉を除き、水中発酵でミューシレージ(豆のまわりの粘液質)を分解します。
発酵の止めどきは、経過時間ではなくpHで判断します。発酵は気温で速度が変わるので、「何時間やったか」はあてになりません。酸の生成がどこまで進んだかを数値で確かめ、狙いの点で水洗して止める。そのあと乾燥棚に薄く広げ、水分値と水分活性を見ながら乾燥させます。
ウォッシュトは、果肉由来の糖を持ち込まないぶん、発酵の変数が少ない精製です。だからこそ、品種と土地の素の輪郭がいちばん正直に出ます。
私たちはすべてのロットで、pH、Brix(糖度)、水分値、水分活性、乾燥日数を測定して記録しています。Data Bankと呼んでいる仕組みです。コーヒーの評価軸は「どこで採れたか」から「どう作られたか」へ移りつつあります。工程を数値で語れることが、アジアの産地の武器になると考えています。
このロットの実測値は、このページの上にある DATA BANK の欄に載せています。何を、いつ、どこで測ったかまで書いてあります。全ロットの一覧はDATA BANKへ。
ウォッシュトは豆の密度と酸の構造が素直に出るため、プロファイルの再現性を取りやすく、品種比較のリファレンスに向きます。同じ畑のチェリーを精製だけ変えたLaos / Typica Naturalと並べて焼くと、精製の寄与が分離して見えます。まずこの一本で私たちの畑の素顔を確かめて、そこから精製違いに広げてもらう。そういう使い方を想定しています。
この豆の背景は、JOURNALにも書いています。
→ コーヒーの収穫と選果|熟した実だけを摘むと、品質はどこまで変わるか
→ JOURNAL(産地からの記録と映像)
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